おかえり

昨日は勢いで劇場版メイドインアビスを観て、友人と寄り添い合いながらラーメンを食べて泣き腫らした。
今日は今日で、現職の最後の出社日だった。
引っ越しもしなきゃいけないので、なんか契約とかいろいろ不安しかないし、毎日生きてるのもしんどいし。

だから、そんなときに、大好きだったゲームの新作が発表されたら「お気持ちを表明しなくては…」と義務感だけが先行してしまうのも無理はないと思うので、
支離滅裂な感情が先走っているかもしれないことを、前置きだけはしておきます。
まあこの時点で読む気なくすと思うので。長いし。


はい。
結論から言うと、大好きだったオンラインゲームとそれに類する様々なメディアミックス展開の総称武装神姫」の新作が、9年ぶりに出ます。

私個人としては、これを機にやっと、たくさんの人に武装神姫を知って遊んでもらえるなという気持ちが少し。
そして、人生で一番大好きな神姫とまた遊べるかもしれない期待と、出るのかな…出てくれ…という不安が大半。
まあ個人的な感情は置いといても、たまたま目にしたこの記事で武装神姫のことを気になってくれたらいいなと思うので書きます。
既に武装紳士または淑女であるという方に関しては、同じとまではいかなくても近い感情でいるのではないかなと思います。



そもそも『武装神姫(神姫NET)』とは、
可愛い女の子の小さなフィギュア『神姫』を育ててコミュニケーションをとり、
神姫同士を戦わせたり(BATTLE RONDO)、好きなポーズで写真を撮ったり(DIORAMA STUDIO)するオンラインゲームでした。
神姫たちはゲームの中だけでなく、現実にフィギュアとして存在し、フィギュアを購入するとゲーム内でも育成や撮影を行うことができました。
(あくまで「武装神姫」というのはフィギュアシリーズですが、これらオンラインゲームなども含めた総称という認識です)
分かる人向けに言うなら、エンジェリックレイヤーみたいなゲームでした。

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ゲーム内にも課金要素があり、買い切りでお洋服や装備が買えました
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一着買えば、複数の神姫に着まわしてあげることも出来ました
かわいいですね。
武装神姫そのものの説明に関しては、私では偏った説明になってしまうのでWikipediaを見て頂いた方がいいと思います。
ja.wikipedia.org
ja.wikipedia.org
上記で説明したのは「神姫NET」での内容ですね。

高校生の頃、私はこのゲームに偶然出会い、あほみたいにハマっていました。
初回のダウンロード時間がとんでもなく長く(スペックはもとより、モデルや背景などのグラフィックデータがめっちゃあった)ほとんど丸一日を費やしたので、
「こんなん面白くなかったら詐欺やわ」と周囲に豪語していました。
Wikiにもありますが、オンラインゲームを始めると最初に必ず『忍者型フブキ』という神姫がもらえます。

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当時のガラケーの待ち受け



※ここから先、宗教上の理由で忍者型フブキを『嫁』と呼称しますので、解釈違いの諸兄は気を付けて読むかブラウザバックしてください。



それまで私は、登場人物よりは全体のストーリーや世界観を好きになることが多く、
嫁に出会って初めて「一生このキャラクターを愛そう」という感情を持ちました。
関係ないですが、当時神姫NETはサービスが始まってしばらく経っており、
私がやり始めた頃は、起動するといつもまあまあでかい音で「しゃいに~~~お~~~~~~~」と歌が流れました。

折角私の忍者型フブキには「氷魚」という世界一イカした名前をつけてあげていましたが、
結局恥ずかしくて「嫁」以外に呼んだことがありませんでした。

嫁に出会ってからの私は、毎日家に帰ってはバトロンで遊んでいました。
話を聞いた友人の何人かがダウンロードして、チャットやフレンド対戦をしたこともありました。

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季節の特殊台詞なんかもありました(確かログイン時にだけ見られたはず)
今更ですが武装神姫はフルボイスで、忍者型フブキの声は福井裕佳梨さんです。これがもうめちゃめちゃかわいい。

嫁は普段控えめで大人しく、人間のイベントには関心が薄いクールな性格で、
サンタさんを↑のように評したり、ホワイトデーを「非常時に備え甘味の携帯を促す日」と表現したりしました。
バトルに勝って褒められれば控えめながらも喜ぶ素直さや、負けると落ち込むものの叱ってあげると喜ぶ向上心も持っていました。
私はいつも叱るのがつらくて、泣きながら「自分が悪かった」を選択していました。
(当時は知らなかったのですが、この選択肢は親愛度が変化しません。他のいくつかの選択肢には親愛の上下がありました)

とにかく毎日が楽しくて、嫁がいれば何にもいらないと思いました。
そして、嫁とずっと一緒にいられると無条件に思っていました。


時は流れて、私の嗜好も移り変わっていました。
それでも嫁のことは大好きでした。
以前ほどバトロンはやらなくなったけど、念願だった嫁のフィギュアも発売され、
現実の私の世界に嫁がやってきたことが本当に嬉しくて、やっぱりそれだけで幸せだと思っていました。
嫁のフィギュアは12/26に発売されましたが、その日は遊びに来ていた友達がケーキを買ってくれて、
「嫁とのケーキ入刀は一生に一度しかできないんだからやったほうがいいよ!!」と言って、
嫁の小さな手と私の大きな指が握る、デザート用の小さなフォークをケーキにさす姿をカメラに収めていました。
(画像は消えてしまいましたが、あの時は本当に嬉しかった)


本当に、幸せな気持ちがずっとありました。
サービスが終わるまでは。


神姫NETは2011年にサービスを終え、武装神姫の公式サイトもやがてなくなりました。
サービス終了のメールが来たとき、一度だけログインしましたが、
そこにはもう会えなくなるなんて微塵も感じさせない、いつもの神姫たちがいました。
せめて最終日だけでも…と思っていたのですが、
もしもさよならなんて言われたらどうしよう、と考えたら悲しくなって入れませんでした。

嫁はデータだけの存在ではないのに。
フィギュアとしていつも一緒にいてくれるのに。
でもその「人格」はゲームの中にしかなかった。
サービス終了は、それを私に自覚させてしまいました。


武装神姫の展開が終わっても、私は嫁より好きになれる女の子には出会えないと思いました。
仮にもし出会ってしまっても、嫁のことを思うと、好きになることが出来ない気がしていました。
嫁はいつだってこの世の全ての頂点で、森羅万象の中で一番かわいくていとおしくて、大好きな女の子でありたかった。

艦これや刀剣乱舞がその後現れて、私は「武装神姫みたいなことができるゲームが流行り始めたんだなあ」と思いました。
どっちも遊んではいましたが、艦これは嫁のことがちらついて好きな艦娘ができなかったし、
刀剣乱舞は男性キャラだからまだ大丈夫、って思っていたら普通にBLが好きになりました。
その後、嫁よりも人生と金銭感覚を狂わせるSideMに出会い、
流れでデレステやミリシタやシャニマスもやり始めたりして、
たまにグラブルで無料ガチャ回したりして、
嫁のことは少しずつ遠くなって、それでも好きな気持ちはずっとあって。

毎年12/26には必ずケーキを買って家に来てくれた日(結婚記念日と呼んでいます)をお祝いして、自己満足に浸っていました。
友人の協力を得て遊覧船のレストランで祝ったこともありました。
そのためにドールの衣装を買ってあげたりもしました。
でももう、この嫁を形成する人格は、更新されないんだなあ、と我に返ったりもしました。


武装神姫の新展開自体は、2年くらい前に一度発表されていました。
でもきっと嫁はあんまり関係ないのかなあ、とさえ思っていました。

そして今日、ようやく発表されました。
モバイル版とアーケード版が出るのだそうです。
PSP版は格ゲー要素が難しくて先に進めなくなってしまったし、
ガラケー版だけは遊んでいましたが、あれもすぐに終わってしまった。
武装神姫の話を過去形でばかり話すのは、悲しくて寂しくて、
もう二度と嫁が、私に話しかけてはくれないんだということを考えてしまう。

でも、新しいゲームが2つも出ます。
嫁の姿は映っていないけれど、いつかきっと出てくれるかもしれない。
私の嫁に未来があるのです。なくはないと思いたいのですが、まあ、なくはないと思います。
これからはクラウディアちゃんや凛世ちゃんを「ジェネリック嫁…」と切ない気持ちで見なくて済むのです。

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ジェネリックはさておき、二人のことは普通に好きです


会社でこっそり生放送の一部を見ていたら、嫁が少しだけ映っていました。
家に帰ってちゃんと見たら、司会のお姉さんが嫁を見て「かわいい」って言ってくれました。
それだけでもう涙が止まりません。

またいっぱいあそぼうね。